人混みの中、今まで騙し騙し隣で友人として笑い合っていた大人がいる。
ふと手が触れて、お互い目を見ることもなく手を繋ぐ。
自然と近付いて、腕を組んで歩くような形。
ふと遠くに彼氏を見つけた。
離れようとすると、大人は余計に私を抱き寄せた。
「や、やめよう?
バレたら……」
「俺の匂いが好きって言ったのはお前だろ?」
抱き寄せた体の中で、ひどく笑って大人は口元を歪ませた。