変わらないもの

「友人も親友も、所詮はオトモダチでタニンじゃん?」
「突然、どうした?」
「で、さあ」
「俺の言葉は無視か」
「恋人も、初めは他人なんだよね」
「うん?」
「それがたまたま異性で、隣に居て、コイビトって呼ぶ存在なだけで、元々はすれ違って数秒後には顔も思いだせないような他人なんだよね」
「そうだな」
「だから、もういいやー、ってなっちゃったら、また他人に戻れちゃうんだよね。顔も声も思いだせないくらいの無にだって戻れちゃう」
「…………」
「でも、それが一段階進化するだけで、もういいやだけじゃ他人には戻れない、夫婦ってのになる」
「……おう」
「不思議だよね、って、思わない?」
「そうだな、」
「つまりね、私がリョウに何を言いたいかってーとね、」
「カナコ、夫婦になろうか」
「…………えへへ。待ってました」