何度も繰り返した、秋。
あぁ、肌寒いのかなぁ。でも私にはわかんないなぁ。
日が落ちるのが早くなった灰色の中で、今日もぼんやりと赤色の空を見上げる。
(あ。)
灰色の中に、また今年も灰色の、大好きな人を見つける。
「ああ、また忘れた……」
今日ここに来た人はみんな、綺麗なお花とか、私が好きなケーキとかを持ってきてくれたのに、灰色の人は毎年、おばあちゃんが飲むみたいな緑茶をひとつ、持ってくるだけだった。
それがなんだか、私のことをいちばん知ってくれているみたいで、安心した。
「なあ、俺、もう、ダメみたいだ」
落ちた瞳と、落ちた夕日を見て、私は微笑むことしか出来ない。
私にはもう体がないから、灰色の人に何かをしてあげられるわけじゃない。
毎年来てくれるくせに、毎年逃げるように去っていくこの人に、私は何もしてあげられない。
毎年私たちは、お互いに何もしてあげられないとわかって、それでも顔を見に来てしまう。
それがどうしようもなく、優しくて、悲しくて。
(ねぇ、お兄ちゃん。)
ハロウィンと呼ばれるらしい今日に、私がしてあげられることは。
(わたし、「ここにいるんだよ」
「は、――ああ、おまえ、」
灰色の瞳に、星空が宿って。
「悪戯、遅かったな」
濁って、私と共に。