灯火

 夜中、何にも耐えられなくなって、原付のエンジンをかけて、元彼とよく来たここに来た。
 カチッと音を立てて、吸い慣れていない煙草をぷかぷかと浮かばせた。
 煙が目にしみて、涙が出て、視界がぼやけた。
「どうしようもないんだよなぁ」
 波が船を打つ音が断続的に聞こえた。
「未成年の煙草はダメだぞ」
 人の声がした。驚いて、座り込んだまま、手に火を灯したまま、空を見上げた。
「俺のせい?」
 もうひとつ、火が灯った。